子どもに教えるコツ~半紙2字・3字作品の名前の書き方

土屋彩明
(新潟県見附市)


幼児~小学生くらいの子に習字を教える時、意外と難しいのが「名前の入れ方」の指導です。

「どう教えると子どもに分かりやすいのか」という問題の他に、名前の文字数、名字も入れるのか、また地域や会派によっても正解が変わってくるのが難しいところです。

ここではとりあえず「うちの教室で教えている方法」をご紹介します。

土屋彩明見附市書道教室子どもに教えるコツ~半紙2字・3字作品の名前の書き方


まず本文が2字で、名前も2文字の場合。
うちの教室で使っている下敷きはこんな風に線が入っているので「真ん中の線より上に1字、線より下に1字」と教えています。
大きさは一度書いて見本を見せますが、大体「本文のふりがなくらいの大きさ」が目安です。


土屋彩明見附市書道教室子どもに教えるコツ~半紙2字・3字作品の名前の書き方


同じ本文が2字でも、名前が長いと事情が変わります。
特に男の子の「けい一ろう」「こうたろう」などのタイプの名前は子どもにとって紙面に納めるだけでも大変なので、初めは「まっすぐ全部書けたら花丸」にしています。
段々上手になって余裕ができた時は、↑のように「上を少しあけて書き始めて、本文より上で終わるように」を目安にします。

この上を少しあけるのは「見た目に上手くまとまる」「月例やコンクールの際に支部名や段級を入れても紙面がすっきりする」効果があるからです。
また、学校から出品するコンクールでは学校印がここに押されることが多く、この部分をあけて書く習慣がついていると学校でも困らずに済むようです。

土屋彩明見附市書道教室子どもに教えるコツ~半紙2字・3字作品の名前の書き方


半紙3文字の作品だと、うちの教室では名前をここに書きます。
3文字目の真下に入れても良いのですが、支部名や段級入れを考えると左に寄せた方が便利で、また子どもたちも「名前は左の端に書く」ルールが崩れない方が書きやすく、理解しやすいようです。

土屋彩明見附市書道教室子どもに教えるコツ~半紙2字・3字作品の名前の書き方


半紙3文字でも名前が長い場合は、左図のように紙の左端のスペースを上から使って書く場合もあります。
また、右図のように2行に折って書く方が入れやすい場合もあり、これは課題や出品する大会の傾向によってどちらが良いか分かれます。
全書芸の月例などではどちらも見かけるので、どちらでも良いようですね。