書道歳時記~八十八夜とお米の話
土屋彩明
(新潟県見附市)
八十八夜は「立春から数えて八十八日目」で、現代のカレンダーで5月2日頃になるそうです。
「夏も近付く八十八夜~」という茶摘み歌が有名なので「八十八夜=茶摘み」のイメージが強いですね。
現在でも茶摘みは大体この時期から初めるそうで、八十八夜に摘んだ茶は味が良いだけでなく長寿の縁起物でもあるのだそうです。
八十八夜は茶摘みだけではなく、畑の種まきや田んぼ作りの目安でもあるそうです。
特に「米」の字は「八十八」に通じるので、昔はこの日に田の神様に供え物をしたといいます。
「八」は末広がりで縁起のいい数字ですから、色々な意味で縁起担ぎに良い日だったのでしょうね。
ちなみに私は米どころの新潟県に住んでいますが、うちの辺りでも田植えはこの頃にしていることが多いですね。
ちょうどゴールデンウィークで人手があるから(農業機械を使う現代でも、やはり田植えは人手が要るそうです)という理由もありそうですが、やはり気候的にも理に適っているのでしょう。
昔の暦というのは縁起担ぎだけでなく、私たちが思う以上に正確なのかもしれません。

田植え目前の田んぼの様子です。
田起こし(たおこし)が済んで、田んぼに水が張られています。