旅で出会った「書」①

千葉豊翠
蒼庭子書院(北海道帯広市)

我が家では「家族のきずな」を深めるため(^^ゞ、10年ほど前から11月に家族旅行をするのが恒例行事となっています。
今年は家内と娘の3人旅です。
旅程は群馬県伊香保温泉、新潟県姫川温泉、金沢市内、山代温泉などに泊まりながらレンタカーでゆっくりと観光してきました。
その道中で目にした「書」についてお伝えしたいと思います。

伊香保温泉では小暮というホテルに宿泊。昭和天皇が何度かご来館された歴史を物語る調度品が展示されていました。もったいないことに写真を撮影し忘れてしまいました( _ _ )……….

姫川温泉は初めて知った温泉地で、温泉街というようなものはなく山間の静かな場所で国富というホテルに宿泊しました。ここには武者小路実篤の書が二点ありました。
学生時代一時武者小路の作品が好きで何作か読んだ覚えがあります。
たしかその当時の新潮文庫の表紙の題字も本人が書いたものだと記憶していましたので、ホテルにある作品を見ても、「ああ、こんな感じだったなぁ」という印象がよみがえりました。



今回の旅行の目的のひとつが金沢21世紀美術館のプールでした。
生憎予約がいっぱいで上からのぞくことしかできませんでしたが、その方がかえって面白く感じました。

旅で出会った「書」①蒼庭子書院(北海道帯広市)千葉豊翠群馬県伊香保温泉新潟県姫川温泉金沢市内山代温泉武者小路実篤21世紀美術館/遠州流八世・小堀宗中「千歳鮓」日下部鳴鶴「長生殿本舗」ひがし茶屋街森八
金沢21世紀美術館・プール


美術館では「文字の可能性」という展覧会を見ていきました。
予想していた展示とはかなり違っていましたが、「文字」というものを美術館で取り上げるとこういうものになるのだなあ、という印象が強く残りました。

旅で出会った「書」①蒼庭子書院(北海道帯広市)千葉豊翠群馬県伊香保温泉新潟県姫川温泉金沢市内山代温泉武者小路実篤21世紀美術館「文字の可能性」/遠州流八世・小堀宗中「千歳鮓」日下部鳴鶴「長生殿本舗」ひがし茶屋街森八
「文字の可能性」展


金沢の「ひがし茶屋街」は何度か訪れたところですが、伝統的な茶屋建築が軒を連ねる雰囲気がとても魅力的です。その中で「森八」という四百年の歴史を誇る和菓子店に入りました。
そこに二点の作品があり、お店の方に了解を得て写真を撮らせていただきました。
一点目はキャプションに遠州流八世・小堀宗中「千歳鮓」と書かれていました。
調べてみると小堀宗中は江戸後期の茶道遠州流の茶人のようです。

旅で出会った「書」①蒼庭子書院(北海道帯広市)千葉豊翠群馬県伊香保温泉新潟県姫川温泉金沢市内山代温泉武者小路実篤21世紀美術館/遠州流八世・小堀宗中「千歳鮓」日下部鳴鶴「長生殿本舗」ひがし茶屋街森八
遠州流八世・小堀宗中「千歳鮓」


もう一点は日下部鳴鶴「長生殿本舗」です。
これはレプリカでオリジナルは本店にあるそうです。

旅で出会った「書」①蒼庭子書院(北海道帯広市)千葉豊翠群馬県伊香保温泉新潟県姫川温泉金沢市内山代温泉武者小路実篤21世紀美術館/遠州流八世・小堀宗中「千歳鮓」日下部鳴鶴「長生殿本舗」ひがし茶屋街森八
日下部鳴鶴「長生殿本舗」


旅行をすると訪れた土地土地で様々な「書」に出会いますが、中でも私たちの知っている大家の作品に出合うと心が躍り、そして同時にそこに歴史を感じます。