テーブルの上の書

総務 小林桃筌

先日、自宅でお好み焼きを作りました。

お歯黒みたいになってしまうくらい青のりを沢山かけて食べるのが好きです。

いつものように、青のりをたっぷりかけようと思って袋を手にしました。

すると、今までまったく気に留めていなかった袋の文字が、目に飛び込んできました。

「あれ!?この字…どこかで見た!!」(図1)

永井海苔「青粉」写真画像
図1 永井海苔「青粉」

 

「九成宮醴泉銘」を見てみると、「東越青丘…」の青によく似ているような気がしたのです。(図2)

天来書院「青」写真画像
図2 天来書院「青」


欧陽詢(おうよう じゅん)の「九成宮醴泉銘」は、キリリとした清々しい気持ちになります。

いざ書いてみると、深くてキリリと揺るぎのない線に全くなりません。自分の書にがっかりです。お好み焼きに、青のりをたっぷりかけて、気を取り直すことにします。

結びに、比田井天来先生の『青』。(図3)

天来習作帖より「青」写真画像
図3 天来習作帖『青』


この『青』には、私の憧れと夢が全部ありました。