『宛名書き』名前から?住所から?書く順番

牽洋

ハガキの宛名書き牽洋名前から?住所から?書く順番年賀状


名前から? 住所から? 
一年でもっとも宛名を書く季節がやってきました。
書く順番によって仕上がりが変わってくる宛名書き。
それぞれ長年の習慣で意外と違いが現れるところではないでしょうか。

先日、思い出BOXを整理していたら祖父からもらったお誕生日カードやお年玉袋が出てきました。大正3年生まれの祖父からもらっていたペーパーアイテムには、女性が書いたような字粒小さ目の丁寧な字で、○○君と。
当時は、筆耕の仕事をしていたことも知らず、祖父が書いた文字に何の感情もなかったのですが……。今、改めてみると優しさと生真面目さが感じられる字だなぁと思って眺めていました。
手書きのものは、どんなに小さくても、たったひと言でも、年月が経っても、送られた相手の心に刻まれますね。

小学生の時にその祖父から教えてもらったのが『はがきの宛名書き』でした。

「一番先に書くのは、名前だよ」

「まずハガキの中心に、名前を書いて」

「その後に、名前と右端の余白の中央に住所を入れるよ」


その時から、年賀状も手紙の封書も宛名を書く時は、祖父の教えを実践しています。名前から書くと住所が楽に収めることができるんです。

みんな名前から書いていると思っていたのですが、住所から先に書く人もいるような!?という事実を大人になって知りました。

縦書きの文章は、右から書いていくのが普通ですから右の住所から書いていくというのはごくごく自然なことなのかもしれません。ただ、住所から書かれた宛名面は、住所の右端の余白が狭めな印象が。
今までいただいた賀状やお便りをお手本にさせていただくと、住所は、右端の郵便番号の枠の延長線上より内側に書くと、美しいなぁと感じています。

プリンターで住所を印刷する時も、縦書きの場合は、郵便番号の枠よりも内側に配置設定することを意識しよう……と思っていた昨年末の年賀状シーズンの我が家。

私 「ねぇ、宛名書くとき、名前と住所どっち先に書いてる?」

主人「住所から」

私 「やっぱり…そうでしたか」(←以前彼の書く宛名書きをチラッと見た時から薄々感じていました)

今更ながらではありますが一番の身近にいたいた。笑

なんで??と理由を尋ねてみると、

「住所から書いて慣らす。最初に名前は怖い」とのことです。

……あはは、で、で、ですよねー。
私も毎回真ん中に名前をキメるの怖いです。難しい。

でもその緊張感が良いのか。こればっかりは訓練するしかない。と腹をくくって書いています。
’’名前でど真ん中をキメる’’のはそう簡単ではありません。

彼の住所から書いて筆を慣らすというのは、やはり名前は大切に書きたいと考えているからなのでしょう。

お手紙やはがきをいただいた時は、目習いのチャンス
自分の名前をこんなに丁寧に書いていただけるなんて、と毎回感動しながら、いただいたお便りの宛名を時折見返し、少しでも近づけるよう微々たる成長に向かって筆をとっています。

書道を始めて10数年…最近、日常のもの全て一つの作品ということを強く感じるようになりました。いただく手紙や贈り物に添えてある一筆も作品。
作品の美しさにおいて配置は何時も重要課題だなぁと感じるこの頃。日本人のもつ美的感覚を信じて、文字を配置していこうと改めて思いました。

私たちに一番身近な書作品である日常の「宛名書き

名前から書く VS 住所から書く

皆さんはどちらからでしょうか??

どちらにしても、’’相手のお名前でど真ん中をキメる’’ キメたい!と思う気持ちは共通だと感じました。