書いて想いを伝える「オフラインラブ」デジタルデバイスを奪われたフランスニース10日間
牽洋
「新婚旅行でニース行ってたよね?フランスのニースが舞台になっている景色が綺麗なドラマがあるよ」
今年に入って、Netflixのイカゲームにハマり、シーズン1・2・3とあっという間に見終わってしまい、抜け殻となり完全なるイカゲームロスを罹ってしまっていた私に友人が次のお勧めを教えてくれた。
ドラマのタイトルは「オフラインラブ」。
見始めると、かつて20歳でガイドブック「地球の歩き方」を片手に往復の飛行機のチケットとリュックサックだけで出かけた台湾一周バッグパッカー旅を思い出す。
このドラマ「恋愛リアリティショーはやらせっぽくて好きじゃないけれど、オフラインラブは見始めたら止まらなくなった。息子が幼稚園から帰ってきたら観られなくなるから帰ってきてほしくなーい」と話す友人もいて周りの評判も良い。私も毎日次はどの街!?と子どもの寝かしつけが終わり寝静まった後の夜の楽しみなドラマタイムになっていた。
まるで20年前の旅を見ているかのような男女10人の10日間。
旅の条件は、デジタルデバイスレス。
旅の中核となるニース街中のレターラウンジ「MAISON MARGAUX」にデジタルデバイスを預けた参加者たちは手にした青いガイドブックを目印に早速街へとひとり繰り出す。
参加者の名前が書かれたレターボックスが設置されたレターラウンジには、手紙を書くアイテムが備え付けられている。参加者同士のやりとりはこの手紙か街中で偶然出会うかしかない。
10日間の旅の折り返し地点を過ぎたエピソード6でのアツシとマホの会話が印象に残った。
アツシ「デバイスがない状態だと、軽く誘えない。手紙になると重くなって気軽に誘えない」
マホ「(わかるぅ)考える。。。書き方とか伝え方とか。全然違う」
アツシ「コーヒー飲みにいかない?ってLINEで送るのと、手紙でコーヒー飲みに行きませんか?って、重みが違う。でもそれは自分の中で良いことだから、日本に帰ってからも言葉を大切にしようって思う」
そうだ!日本人として生まれた時から触れあってきた美しい日本語。各々の心の中に染み込んでいる言葉を紡いで美しい手書き文字で伝えられたら。
相手に思いを伝えるのに最高の「手書き文字」。
顔もわからない相手に手紙を書くという平安時代の恋文のような企画。
映像で映し出される手元を常に注目しながら観進めた。
書くことって
自分の気持ちを言語化することで明確になり
心が整う。
心が決まる。
自分軸ができる。
心が落ち着いて自分の歩む道が見えてくるような感覚になる。
書けば書くほどに得られる体感。良き出会いも発展も手書き文字が握っているといっても過言ではない。
そんな、ここぞ!の時のために日々文字の素晴らしさや美しさに触れて感性を高めておきたい。文字を丁寧に美しく書くことは、このデジタル社会だからこそとっておきの特殊技能としての価値あるもの。
デジタルデバイスと手紙、重みが違う!からこそ、使いわけながら大切なご縁を繋いでいきたい。
美しい南仏の景色の中で恋の行方はいかに。
