十勝・帯広 翠邦浴 vol.14 浦幌町立浦幌中学校編:震災を乗り越えて

千葉豊翠
蒼庭子書院(北海道帯広市)

私の投稿も気が付けば半年以上ぶりとなってしまいました。

今回ご紹介する桑原翠邦先生の作品は、北海道十勝の浦幌町立浦幌中学校にある作品です。

まずは校長室にある二作品。

「職員信条」・「薫化童心」です

十勝・帯広翠邦浴vol.14浦幌町立浦幌中学校編:震災を乗り越えて蒼庭子書院(北海道帯広市)千葉豊翠桑原翠邦
「職員信条」


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「薫化童心」

「職員信条」の落款には昭和26年5月とあります。

そして「薫化童心」の額には昭和28年寄贈というプレートが貼られています。

昭和27年3月4日午前10時22分

十勝沖を震源とするマグニチュード8.2、最大震度5という大地震が発生しました。

(当時の記録映像・資料)

https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0026010196_00000

http://kyouiku.bousai-hokkaido.jp/wordpress/ndl/131331/

軟弱な地盤の浦幌町では開校後5年しか経っていない中学校で火災が発生し、校舎が倒壊。

教員のお一人が亡くなりました。

私が小学生のころには何度も祖母や両親から当時の地震の恐ろしさを聞かされました。

震災の一年前に書かれた「職員信条」はこの震災から奇跡的に難を逃れます。

何か翠邦先生の神通力とでも言いますか、残るべくして残ったと感じずにいられません。

震災後わずか9ヶ月で新校舎が完成します。

そして翌昭和28年、わたくしの父蒼庭子が翠邦先生を浦幌に招き「第2回書会」を開催。

「薫化童心」はおそらくこの来町時に書かれたものと思われます。

「職員信条」を読むと今なお通ずる不変なものを感じます。

「薫化童心」は「童心(子供の心)を薫化(徳をもって教育)する」という意味のようです。

これも、震災で傷つきながらも教員の心を支え、道を示すような言葉と感じました。

体育館には校訓

「自ら 強く 明るく」が高々と掲げられています。

十勝・帯広翠邦浴vol.14浦幌町立浦幌中学校編:震災を乗り越えて蒼庭子書院(北海道帯広市)千葉豊翠桑原翠邦
校訓「自ら 強く 明るく」


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